大阪がん免疫化学療法クリニック 大阪がんクリニック/ 協林会/ 樹状細胞免疫療法懇話会 施設会員

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がんプレシジョン医療 (ネオアンチゲン)
これからはPrecision Medicine(患者個別化医療)の時代です。当院では内閣府プログラムディレクターでがん研究会プレシジョン医療研究センター所長の中村祐輔先生に依頼して患者の遺伝子を解析して患者特有のネオアンチゲンをみつけて樹状細胞に添加し、免疫チェックポイント薬も考慮する、新しい樹状細胞ワクチン療法を、東京大学、シカゴ大学名誉教授と共同研究し臨床実施することで業務提携しました。→詳細はこちら
1.まず患者様から癌標本を採取し中村先生に依頼し、全遺伝子解析のうえ
患者様の癌に特異的な変異遺伝子を同定します。
2.それをもとに患者独自の癌抗原(ネオアンチゲン)を合成します。
3.当院で採取した樹状細胞にネオアンチゲンなどのペプチドを添加して培養し
患者様に投与します。
4.その後、経過をみて免疫チェックポイント抗体も投与します。
1.癌と免疫
癌は毎日私達の体の中で誕生しています。でも一生のうちで癌が見つかるのは1−2回です。 抗癌剤をそのつど使ってるわけじゃないのに、どうしてすべて癌にならないのでしょうか?それは私達の体に備わった免疫機能が排除しているのです。
それでは免疫機能に種類をまず説明し、次はそれでは免疫で排除できない癌はどうしてか考え、最後にそれでは効かなかった免疫をどうしたらまた効かせられるのかをお話しましょう。
まず免疫の効くしくみですが、簡単にいうと、下記の通りです。癌の表面にでてる目印を樹状細胞がみつけて、リンパ球にその情報を教えて、リンパ球がその目印がでている癌細胞だけを殺しに行きます。(阪大での院長の学生さんへの講義から抜粋)
免疫
上記の図のどこかでうまくいかないと免疫が効かなくなり癌が成長します。
2.免疫療法の種類
下記の如く多くの種類の免疫療法があり当院では全て可能です。患者様の癌の種類や転移している場所によってリンパ球が良い場合と樹状細胞が良い場合は異なります。当院では全ての免疫療法の専門家が患者様の病態にあわせて最もふさわしい方法を選択して施行します。
下記の (A) (B) (C) (D) の副作用は合わせてわずか 0.23%であり、ある場合も 1 - 2 日の微熱か投与部の軽い痛みであり処置なく改善し健康やその後の治療に支障はきたしておりません。(再生医療法により再生医療等委員会と厚生労働省に報告されています)
(A) 活性化リンパ球療法(CAT)
血液を採取してクリーンな培養設備で培養し、癌を直接攻撃する活性化リンパ球として、体内へ投与します。αβT細胞が主体です。とくに肺転移や肝転移、そして癌性の胸水や腹水に有効です。
活性化リンパ球療法が開始された約 20 年前、各大学でT細胞とNK細胞を分離して培養される実験がされました。その結果T細胞の方が強力です。
(B) γδ (ガンマデルタ) 細胞療法(注目されています)
活性化リンパ球で破壊されない細胞を傷害します。さらに最近分子標的療法(アービタックスやハーセプチンなど)に併用するとその効果が劇的に上昇することがわかり注目されています。
(C) NK細胞療法
T細胞で傷害されない細胞を破壊します。さらに分子標的療法に併用するとその効果が上昇します。
(D)樹状細胞療法(DCワクチン)
直接ガンを攻撃する兵隊が活性化リンパ球なら、兵隊に「ガンはこれだぞ、攻撃しろ」と指示をだす指揮官が樹状細胞です。血液分離装置をつかって樹状細胞をとりだし、これをGM-CSF やIL-4 といった物質で一週間ほど刺激してから体内に投与します。投与された樹状細胞はガンを認識して、リンパ球に攻撃の指示を出します。樹状細胞は癌組織と接触させて癌抗原を認識する必要があります。① 癌摘出術(ライセート)添加樹状細胞――手術などで取り出した清潔な癌組織から抗原を取り出して樹状細胞に添加して投与します。② ペプチド刺激樹状細胞――癌抗原のペプチドを合成して樹状細胞に添加して投与する方法です。手術標本がなくても可能ですが、白血球の型が一致しなかったり、ふさわしい抗原がでていない癌だと使えません。現在では遺伝子解析したネオアンチゲンも当院では使用できます。③ 未熟樹状細胞腫瘍内投与――抗原が添加されていない未熟樹状細胞を癌組織やリンパ節や胸腹水に投与する方法です。手術標本が不要で白血球の型の一致しない人でも可能です。最も効果的な方法ですが、確実に癌組織に注入するためにエコーや内視鏡を使いますので、卓越した技術を必要とします。他院とことなり、当院では外科や内視鏡などの認定医・専門医をもったスペシャリストがさらに局注のトレーニングをうけて確実に投与しますので、効果は高くなる事が期待されます。
さらに樹状細胞の癌抗原の認識には温熱療法が非常に役立ちます。
癌細胞に特有な物質(癌抗原)のうち、癌を抑える免疫をおこさす部分をきめる構造がペプチドといわれるものです。これは癌の種類と患者さんの白血球の型によってことなります。
このペプチドを患者さんに投与して、癌を抑える免疫をひきおこす治療法がペプチドワクチン療法です。樹状細胞療法にひきつづいて施行することで効果が増強します。

当院では「和歌山医大がんペプチドワクチン治療学講座」 と「市民のためのペプチドワクチンの会」を応援しています。治験ご希望の方や御寄付いただける方は下記へご連絡ください。
(和歌山医大、二外 宮沢Dr、勝田Dr)
(E)免疫チェックポイント阻害薬
免疫機能にストップがかかった時にこれをはずして免疫機能を回復させて癌を排除します。 当院では膵癌や食道癌などにも投与して有効例を発表しています。
また免疫チェックポイントの効果をあげる方法についての科学研究費を国から支給され 大阪大学で招聘教授としてその研究にあたっています。 免疫の上がってない癌には効果がえられませんので 樹状細胞療法やペプチドワクチンや温熱療法などとの併用が期待されています。保険適応が拡大されており単独自費での使用はほとんどありません。 →詳細はこちら
3.免疫療法だけで癌は治るの?
担当医が癌の専門医、指導医などの資格をもっているかが重要です。(○○学会会員は医師ならだれでもなれます)
癌は発生したころは免疫で排除されますが、免疫システムを抑えたりかいくぐって成長してきますから、臨床でみつかった時の癌組織は免疫だけで抑えるのは簡単ではありません。しかしここで癌を他の方法で弱らせてやりますと免疫療法がとてもよく効くようになります。あまり多くない抗癌剤や放射線や温熱療法を前もって投与すると、癌細胞が少なくなるだけではなく、癌が癌の身を守るために作ったバリア(防御壁)や免疫抑制物質が抑制されて、本来の免疫で癌が排除されるようになります。もちろん抗癌剤だけでは抗癌剤に耐性の癌細胞が必ずのこり、一旦少なくなった癌細胞がまた増えてきます。そしてそのうち体が副作用で負けてしまいます。大切なことは、抗癌剤治療と免疫療法の双方をよくわかった医師が双方を上手に使う事です。
免疫療法は期待される治療法ですが、どんな癌にでもきく夢の治療法ではありません。 他の治療法(手術・抗癌剤・放射線など)もよく検討した上で、患者様の意志で決定して下さい。
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